税理士変更の注意点| スムーズな変更、トラブルの回避、税理士探しで重要なこと
目次
「税理士の対応や態度への不満が強くなってきた」「コストに見合った効果が得られていないように感じる」など、税理士の変更を考え始めるきっかけはさまざまです。依頼が続いていた税理士を変更してもかまいませんし、むしろ不満を抱えたまま関係を継続すべきではありません。
しかし変更を進める場合はいくつか注意すべきことがあります。
ここで、事業者の方が税理士を変更するときに知っておきたいポイントを紹介していきます。
注意点①:税理士変更のタイミング
税理士を変更するときの注意点1つ目は「変更時期」です。
変更を緊急で対応する必要がないのであれば、できるだけ引き継ぎなどをスムーズに進めやすい時期に行うべきです。
逆に決算などの時期で、自社あるいは税理士が繁忙期のタイミングで無理に変更を行うべきではないでしょう。
決算直前や税理士事務所の繁忙期を避ける
決算の直前に税理士を変更するのは大変です。税理士に任せていた途中の業務が残っていることもありますし、新たに依頼を出そうとする税理士がすんなり受け入れてくれない可能性もあります。
また、税理士側の繁忙期を避けた方が丁寧な対応になりやすいです。法人の決算関連で忙しくなるのは多くの場合5月頃ですし、他にも年末調整業務が発生する12月や個人の確定申告が忙しくなる3月なども繁忙期になりやすいため、これらの時期を避けると良いかもしれません。
法人税申告後や税務調査後の変更を検討
自社側の都合としておすすめの変更時期は、法人税申告後といえます。
税務に関して切りが良いです。
なお、決算月は会社によってさまざまで、3月決算の場合だとその2ヶ月後にあたる5月末が申告期限です。それ以降を狙うと良いでしょう。
注意点②:税理士とのトラブル
契約の解約は原則自由に行うことができます。ただ、税理士も人ですので変更したい旨を伝える方法やその後のコミュニケーションしだいで揉めてしまうおそれもあります。また、解約自体は円滑に進んでも、次の依頼先がなかなか見つからない可能性もあります。
期間に余裕をもって変更に取り組む
よほど急いで変更すべき理由がない限りは、余裕をもって変更に取り組むべきです。
無計画に解約を申し入れてしまうと、次の税理士を探すまでの間、税務に困る場面が出てくるかもしれません。
できるだけ空白の期間はないようにすべきであり、そのためにも前もって次の依頼先の目星を付けておくことが望ましいです。
税理士とのやり取りや引き継ぎで揉めない
仮に税理士側に非があるとしても、高圧的に解約の申し入れをすべきではありません。
解約をめぐってトラブルが発生するリスクが上がってしまいます。
喧嘩別れのように税理士との関係を終わらせても、その後の税務調査で再び連絡を取らないといけない場面がやってくる可能性もあります。
また、重要な書類を税理士が管理しているときにはできるだけ穏便に変更したい旨を伝えて、きちんとすべての書類を返してもらえるように対応することが大事です。
注意点③:新しい税理士探し
不満があって税理士を変更するにも関わらず、次の税理士にも同じ不満を感じてしまうようではわざわざ変更をした意味がありません。
そこで次の税理士探しにも十分注意する必要があります。
税理士選びで失敗しないよう、着目しておきたいポイントを挙げていきます。
人柄や相性に着目
税理士としてのスキルも当然重要ですが、長く良い関係性を続けるためには税理士本人の「人柄」にも着目する必要があります。
「能力はあるのだが、態度が悪く連絡を取るたびにストレスを感じる」といった問題を避けるために重要なことです。
また、特定の担当者が窓口となるときは相性も重要になってきます。
そのためホームページを見るだけでなく、実際にやり取りをしてみることをおすすめします。
対面だと一番人柄を感じることができますし、ビデオ通話でもある程度把握することができます。
メールやチャットなどのやり取りからわかることもあります。人柄が良くても文面での説明に難があり、「専門的な説明になると伝えたいことがよくわからない」「1つの作業に対して何往復ものメッセージのやり取りが発生する」といった問題が生じることもあります。
そのため対話だけでなくメールなども活用して少しでも事前情報を仕入れておきましょう。
対応可能なツールに着目
会計ソフトにもいろんな種類があります。昔ながらの老舗ソフトから、近年急速にシェアを伸ばしているソフトまで多種多様です。
自社で導入したいと考えているソフトがあるものの、税理士側で特定の会計ソフトにしか対応していないという状況だと困ってしまいます。
できれば柔軟に最新ツールにも適応している税理士事務所を選択した方が良いでしょう。
最近だとクラウドサービスの利用も珍しくありません。在宅勤務を可能とするためにも重要なシステムです。
現状、自社が最新のツールを導入していないとしても将来はどうなるかわかりません。
そのため税理士事務所側が多様なITツールに対応する姿勢があるかどうか、デジタルに慣れているかどうかも重視しましょう。
コストに着目
コストへの着目ももちろん重要です。どれだけ良いと思える税理士でも自社で許容できる負担額を超えていると依頼は出せません。
そのため税理士との契約にかかるコストの相場をまずは把握し、相場との乖離がないかどうかをチェックしましょう。
依頼する範囲が広がるとコストも大きくなりますが、その分自社で対応すべき範囲が狭まり、人件費がカットできるなど、全体としてコスパ良く税理士を利用できる可能性もあります。
そのため何をもってコストが大きいと捉えるのかはよく考える必要があります。
顧問契約を交わすときは、依頼する範囲(記帳代行もしてもらうのかどうかなど)や自社の売上が月額のコストを大きく左右します。
いくつかの税理士事務所で見積もりを出してもらうと比較がしやすくなるでしょう。
当事務所が提供する基礎知識
Basic Knowledge
-
個人事業主と法人の確...
個人事業主と法人の確定申告は、似ているようですが実は違います。個人事業主と法人の確定申告には、どのような違いが […]
-
税理士事務所で求めら...
税理士事務所で働く際、税法や会計の知識が求められます。また、コミュニケーション能力、営業力、そしてデジタルスキ […]
-
相続時精算課税制度と...
2023年の税制改正により、相続税を取り巻く環境がまた変化しています。その中の一つが相続時精算課税制度です。相 […]
-
初めての決算
法人を設立して、事業年度が終了すると、決算を行うことになります。もちろん事業を始めた法人も、最初の事業年度が終 […]
-
個人事業主も活用でき...
「非効率な業務があるので、ITツールを活用して効率化したい」、「インボイス制度に対応するためにシステム改修した […]
-
【税理士が解説】会社...
会社を設立する際、決算月をいつにすればいいのか悩むところです。 会社が忙しい時期や売上の状況、ま […]
よく検索されるキーワード
Search Keyword
資格者紹介
Staff
父親が会社経営をしていて、子どもの頃から将来は自分で起業し、自分の思うような人生を自分で切り拓いて生きていきたい、と考えていました。
父親の背中をずっと見てきましたので、経営者の思いや悩み、苦労などにも傍で触れることができました。
そして大学時代に出会った税理士という資格は、中小企業の最も身近なパートナーであることに非常に魅力を感じ、税理士を目指そうと決意しました。
大学卒業後、仕事をしながらの受験生活は長丁場となりましたが、無事に税理士試験に合格。
実際に自分が税理士として仕事をしていて感じることは、税理士の仕事はとてもやり甲斐があり、責任も重大であるということです。
ただし、税理士の使命は「正しい経理処理や税金計算をして、間違いのない申告書を作る」だけではありません。
専門家としての事務的なサービスにとどまらず、経営者が誰にも言えないような悩みを抱えた時に、真っ先に弊所のことを思い出して頂き、気兼ねなくご相談できるように心掛けています。
そして、経営者の思いに本気で応え、共に問題解決をしていきます。
そのため、経営者とのコミュニケーションを積み重ねにより、本物の信頼関係を構築することは重要です。
さらに「スピード対応」を常に心掛け、経営者が事業に専念できるよう、万全のサポートをさせて頂きます。
-
- 所属団体
- 東京税理士会
-
- 著書
- あさ出版「中小企業の資金調達方法がわかる本」(共著)
-
- 経歴
-
大学を卒業後、3年間の受験専念期間を経て、一般企業に営業職として入社。
その後、会計事務所に入所し、キャリアを積む。
2011年、税理士試験合格。翌2012年、税理士登録。
「より主体的に、責任を持って業務に取り組んでいきたい」と考え、2013年独立。
森下税理士事務所を開設する。
事務所概要
Office Overview