代襲相続はどんな場合に起こる?3つの開始要件について解説

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本来相続人となるはずの方が相続できなくなったとき、その子や孫が代わりに相続をするケースがあります。これは「代襲相続」による効果で、相続人の範囲が広がることとなります。

具体的にどのような条件下で代襲相続が起こるのかを当記事にまとめましたので、ぜひチェックしてください。

代襲相続は普通の相続と何が違う?

相続のルールを規定した民法という法律では、亡くなった方の配偶者や子などを法定相続人として定めつつ、例外的にその権利がさらに子へと引き継がれることも定められています。

 

被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。

引用:e-Gov法令検索 民法887条第2

 

この規定は相続人の子を対象とした内容ですが、子以外に、兄弟姉妹に対して準用されることも規定されています。

 

本来相続すべき立場の方が相続できなかったからといって、その家系全体が相続から排除されるのは不公平だという考え方に基づいて設けられた仕組みです。たとえば親から子へ、子から孫へと引き継がれていくのが自然な流れですが、もし親より先に子が亡くなっており代襲相続も開始されなければ、流れが途切れてしまいます。これを防ぐ役割を担っているのです。

 

なお、相続分については、被代襲者が受け取る予定であった割合と同じです。代襲相続人が複数いるなら、その取り分を均等に分配することになるため、1人あたりとしては小さな割合にまで分割されることもあるでしょう。

例)遺産1,200万円で、配偶者と子2人が相続する場合、各子の取り分は300万円。1人の子が相続権を失い孫2人が代襲するとなれば、孫はそれぞれ150万円ずつを取得する。

代襲相続が起こる3つの原因

代襲相続が開始されるのは、民法が定める特定の事由が発生した場合に限られます。この3つの原因について見ていきましょう。

相続開始より前に亡くなっている

3つの原因のうち特に発生確率が高いのは、「財産を遺す人よりも先に相続人が亡くなっているケース」でしょう。

 

なお、同じタイミングで死亡したでも代襲相続は起こり得ます。親子が交通事故で同時に命を落としどちらが先かわからない状況では同時死亡と法的に評価され、孫が代襲することになります。

相続欠格による権利の喪失

特定の違法行為など不当な行為をはたらいた者については、法律上当然に相続権を失うこととされています。これを「欠格」と呼びます。

 

たとえば財産を遺す人やほかの相続人を殺害した、あるいは殺害しようとして刑罰を受けた場合、殺害を知りつつ告訴や告発を怠った場合、遺言の作成や変更を詐欺・強迫で妨げた場合、詐欺・強迫で遺言を作らせた場合、遺言書を偽造・改ざん・廃棄・隠した場合などが該当します。

 

ただし欠格者に子がいれば、その子は代襲して相続することは可能です。不正を働いた本人のみが排除され、その子には責任が及びません。

相続廃除による権利の剥奪

財産を遺す人の意思で相続権を取り上げることも可能です。これを「廃除」といいます。

 

廃除が認められる理由としては、虐待を受けた、重い侮辱を受けた、その他著しく不当な行いがあった、などが挙げられます。

 

ただし欠格同様、廃除された人に子がいるとき、その子が代襲相続することは可能です。

相続放棄で代襲相続は起こらない

注意しておきたいポイントは「相続放棄が行われた場合、代襲相続の開始要件を満たさない」という点です。

 

放棄した者は最初から相続人でなかったことになるため、その子による代襲相続も起こりません。

代襲相続人となるための条件

上記3つのうちいずれかの原因がある場合であるからといって、誰でも代襲相続人になれるわけではありません。

 

前提として、代襲者は被代襲者の子でなければなりません。実子か養子かは問われませんが、「被相続人の直系卑属」には該当する必要があります。

※縁組前にすでに養子に子がいた場合、その子は養親と法律上の血族にならない。反対に、縁組後に生まれた子は養親との血族関係が生じる。

 

また、代襲者は被相続人が亡くなった時点で存在している・生まれていることが必要です。※胎児に関しては、生まれることで遡って相続人になれる。

 

さらに、兄弟姉妹を被代襲者とするケースではより注意しましょう。被相続人から見た甥や姪までは相続権が渡るものの、そこからさらに再代襲相続は発生しません。これに対し被相続人の孫も亡くなっているときは再代襲相続が発生します。

相続手続きの際注意すべきこと

代襲相続を判断する際は、戸籍を調べ、親族関係を正確に把握していきましょう。

 

養子縁組がある場合や世代をまたいで相続が続いている場合は、法律関係を慎重にチェックしなくてはなりません。

 

代襲相続が発生するとわかったときも、遺産分割の話し合いに代襲相続人を参加させるなど、関係者全員で手続きを進めるように注意してください。

KNOWLEDGE

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TAX ACCOUNTANT

税理士 森下 敦史

森下 敦史(もりした あつし)/ 東京税理士会

経歴

大学を卒業後、3年間の受験専念期間を経て、一般企業に営業職として入社。
その後、会計事務所に入所し、キャリアを積む。
2011年、税理士試験合格。翌2012年、税理士登録。
「より主体的に、責任を持って業務に取り組んでいきたい」と考え、2013年独立。
森下税理士事務所を開設する。

著書
  • あさ出版「中小企業の資金調達方法がわかる本」(共著)

経営者の思いに応える、
税理士のかたち

父親が会社経営をしていて、子どもの頃から将来は自分で起業し、自分の思うような人生を自分で切り拓いて生きていきたい、と考えていました。
父親の背中をずっと見てきましたので、経営者の思いや悩み、苦労などにも傍で触れることができました。

そして大学時代に出会った税理士という資格は、中小企業の最も身近なパートナーであることに非常に魅力を感じ、税理士を目指そうと決意しました。
大学卒業後、仕事をしながらの受験生活は長丁場となりましたが、無事に税理士試験に合格。

実際に自分が税理士として仕事をしていて感じることは、税理士の仕事はとてもやり甲斐があり、責任も重大であるということです。

ただし、税理士の使命は「正しい経理処理や税金計算をして、間違いのない申告書を作る」だけではありません。

専門家としての事務的なサービスにとどまらず、経営者が誰にも言えないような悩みを抱えた時に、真っ先に弊所のことを思い出して頂き、気兼ねなくご相談できるように心掛けています。
そして、経営者の思いに本気で応え、共に問題解決をしていきます。

そのため、経営者とのコミュニケーションを積み重ねにより、本物の信頼関係を構築することは重要です。
さらに「スピード対応」を常に心掛け、経営者が事業に専念できるよう、万全のサポートをさせて頂きます。

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